ルール
目次
シナリオルール
1セッションの間に展開される物語のことを〔シナリオ〕といいます。シナリオは〔シーン〕によって区切られ、大まかに以下のように進行します。
①オープニングシーン
②メインプレイ
シーン1
シーン2
︙
③エンディングシーン
④アフタープレイ
この間に、GMのみが演出を行う〔マスターシーン〕を挟み込みながら、シナリオは展開していきます。
- シーンの進行
- まず、GMはそのシーンに登場するキャラクターを指定します。プレイヤー側からシーンに登場したい旨を申し出て、GMがそれを許可すれば、シーンに登場することもできます。
つぎに、GMはそのシーンのシチュエーションを説明します。キャラクターはそれを踏まえてシーンに登場します。GMはキャラクターが出揃ったことを確認し、シーンを演出します。
最後に、GMがシーンの終了を宣言します。この時、自動的にシーンに登場している全てのキャラクターはシーンから退場します。
シーンとシーンのつながりにどれくらい時間が経過しているかは、GMが任意に決定してください。
- メインプレイの進行
- メインプレイは導入、展開、終幕の順番に進行していきます。メインプレイのシーン数は自由に決定できます。『アルタシア・レガシィ』の世界では、キャラクターは戦乱に巻き込まれるところからはじまっていますが、戦争だけがシナリオの全てではありません。人々からの頼まれごとを受けたり、調査や探索といったものも立派なシナリオのひとつです。
GMは導入において、シナリオの状況を簡潔に伝えます。NPCを使ってキャラクターに説明するなどの手法を取ることで、キャラクターたちは行動指針を得ることができるでしょう。物語は事件の発生によって展開し、事件の解決によって終幕します。展開部ではさまざまな困難や課題をセットし、終幕までにそれらが解決できるようにしておくと良いでしょう。キャラクターたちがどんな終幕を迎えるかは、シナリオの展開次第です。大団円を迎えられることもあれば、辛く苦しい結末が待ち受けているかもしれません。しかしいずれも重要なことは、「楽しむ」ということです。
- アフタープレイ
- エンディングシーンを終えたら、アフタープレイに移ります。アプタープレイでは、〔HP〕〔SP〕〔状態〕の回復や入手したアイテムや消耗したアイテムの適用、経験点を算出しキャラクターのレベルアップなどを行います。
- 各種数値のリセット
- 〔HP〕、〔SP〕、〔バフ〕や〔デバフ〕によって付与された状態を全て初期状態に戻します。異形化、もしくはキャラクターが死亡した場合、そのキャラクターシートは使用できなくなります。
- 経験点の算出
- 経験点はプレイヤー、GMともに獲得することができます。
経験点は以下の項目ごとに獲得できます。
- □ セッションに最後まで参加した 1点
- □ シナリオの勝利条件を満たした 3点
- □ 倒したエネミーの数×2点
- □ ロールプレイを楽しんだ 1点
GMはプレイヤー全員の経験点を足して2で割った数を経験点として獲得してください。獲得した経験点は、セッションに参加していないキャラクターにも割り振ることもできます。ただし、すでにレベルアップさせたキャラクターを他のセッションで使用したい場合は、GMにその旨を申し出て許可を得てください。
- キャラクターのレベルアップ
- レベルアップすると、能力値に振り分けられるポイントを2ポイント獲得します。また、習得している術技のレベルを1だけ上げることができます。
キャラクターのレベルアップに必要な経験点は、[(現在のレベル+1)×10]です。レベル1からレベル2に必要な経験点は、20点になります。
経験点表
CL | 必要経験点 | 累積経験点 |
2 | 20 | 20 |
3 | 30 | 50 |
4 | 40 | 90 |
5 | 50 | 140 |
6 | 60 | 200 |
7 | 70 | 270 |
8 | 80 | 350 |
行為判定ルール
セッション中、キャラクターは様々な行動を行います。森を探索したり、崖に登ったり、敵に攻撃したり——そういった行動の成否をダイスを用いて決めることを、〔行為判定〕といいます。
行為判定には〔基準値〕と〔目標値〕と〔達成値〕を用います。〔基準値〕とはキャラクターがその判定を行う際に参照する能力値とキャラクターレベルを足したもので、目標値は行為判定の難易度を、達成値はダイスの出目に様々な補正を足したものを指します。
達成値が目標値以上であった時に行為判定は成功したとみなされ、達成値が目標値未満であったり、出目が1ゾロであった場合、行為判定は失敗したものとみなされます。
〈まとめ〉
- 基準値=[キャラクターレベル+〔能力値〕]
- 〔基準値〕は、〔器用基準値〕のように記述されます。
- 目標値
- その行為判定の難しさです。
- 達成値=[基準値+2D6]
- 達成値≧目標値
- →行為判定は成功
- 達成値<目標値
- →行為判定は失敗
行為判定の手順
①行為判定の宣言
②行為判定に用いる能力値と目標値の決定
③行為判定に用いるダイス数の決定
④ダイスロール
⑤達成値の算出
⑥行為判定の成否の決定
- ①行為判定の宣言
- GMがキャラクターの行動の成否を行為判定によって決定することを宣言します。
- ②行為判定に用いる能力値と目標値の決定
- GMはその行為判定に用いるのにふさわしい〔基準値〕を決定します。例えば、崖を登るのなら〔筋力〕の基準値を、川を泳いで渡るのなら〔体力〕の基準値を、魔法の痕跡を探知するなら〔魔力〕の基準値を、といった具合です。
用いる基準値が決定したら、次は行為判定の目標値を決定しますが、GMはこの目標値を非公開にしても構いません。
- ③行為判定に用いるダイス数の決定
- 基本的に、行為判定に用いるダイスはふたつです。しかし、術技の効果でダイスが増えることがあります。それらを適用し、最終的なダイス数を決定します。
- ④ダイスロール
- 決定したダイスの数だけダイスを振り、その出目を確認します。振ったダイスの中にひとつでも6ゾロがあった場合、行為判定は〔クリティカル〕となり、達成値に+5します。6ゾロがふたつあったとしても、クリティカルは重複しません。1ゾロがひとつでも出た場合、その行為判定は自動的に失敗します。
- ⑤達成値の算出
- ダイスロールの出目に、行為判定に指定された基準値と、術技やクリティカルによる補正値を足して最終的な達成値を算出します。
- ⑥行為判定の成否の決定
- 最終的な達成値が目標値以上であれば行為判定は成功、達成値が目標値未満であれば失敗となります。
- 行為判定に対する修正
- GMは行為判定の状況に応じて、目標値、ダイス数、達成値に上方/下方修正を適用しても構いません。例えば、好条件で行為判定に臨む場合は目標値を下げたり達成値にボーナスを与えたり、逆に悪条件下で行為判定を行う際は目標値を引き上げたり、達成値にペナルティをかける等です。
これらの修正は事前にプレイヤーに伝えておくことが望ましいでしょう。修正は+2〜-2の範囲で調整し、ダイス数の増減は1個までにしておくことを推奨します。
対決判定
行為判定のひとつとして、キャラクター同士が争う〔対決判定〕があります。能動側と受動側に分かれ、達成値を比べあいます。
①対決判定の宣言、能動側と受動側の決定
②対決判定に用いる能力値と目標値の決定
③対決判定に用いるダイス数の決定
④ダイスロール
⑤達成値の算出
⑥対決判定の勝利/敗北の決定
- ①対決判定の宣言、能動側と受動側の決定
- GMは行動の成否を対決判定にて決定することを宣言します。そして、対決判定に挑戦するキャラクター(能動側)と、対決判定に対抗する側(受動側)を決定します。
- ②対決判定に用いる能力値と目標値の決定
- 挑戦、抵抗、ともに対決判定に用いるのにふさわしい基準値を決定します。例えば、攻撃を命中させたいとき、能動側は〔器用〕の基準値を用い、受動側は〔敏捷〕の基準値を用います。このような命中ロールや回避ロールについては、戦闘ルールで詳しく解説します。
対決判定の目標値は、受動側の達成値となります。
- ③対決判定に用いるダイス数の決定
- 基本的に、対決判定に用いるダイスはふたつです。しかし、術技の効果でダイスが増えることがあります。それらを適用し、最終的なダイス数を決定します。
- ④ダイスロール
- 決定したダイスの数だけダイスを振り、その出目を確認します。振ったダイスの中にひとつでも6ゾロがあった場合、対決判定は〔クリティカル〕となり、達成値に+5します。6ゾロがふたつあったとしても、クリティカルは重複しません。1ゾロがひとつでも出た場合、その対決判定は自動的に失敗します。
- ⑤達成値の算出
- ダイスロールの出目に、対決判定に指定された基準値と、術技やクリティカルによる補正値を足して最終的な達成値を算出します。
- ⑥対決判定の勝利/敗北の決定
- 能動側の達成値が受動側の達成値を上回った場合、対決判定は能動側の勝利となります。
- 受動側優先の法則
- 能動側と受動側の達成値が同値であった場合、受動側が勝利します。これを受動側優先の法則といいます。
- 受動側が複数いる場合
- もし受動側のキャラクターが複数いる場合、能動側は一回のみ対決判定を行い、その達成値に対して受動側が全員対決判定を行い、個別に達成値を算出してください。
行為判定一覧
- 〔命中判定〕=[2D6+〔器用基準値〕]
- 攻撃する際に行う判定です。〔回避判定〕で対決判定を行います。攻撃側が能動側です。
- 〔回避判定〕=[2D6+〔敏捷基準値〕]
- 攻撃を回避する際に行う判定です。〔命中判定〕で対決判定を行います。回避側が受動側です。
- 〔死亡判定〕=[2D6+〔体力基準値〕]
- 〔気絶状態〕のまま戦闘が終わるか、〔気絶状態〕で6時間が経過すると行う判定です。失敗すると、そのキャラクターは死亡します。
- 〔隠密判定〕=[2D6+〔器用or敏捷基準値〕]
- 身を隠す、物を隠す、痕跡を消すといった際に行う判定です。
- 〔解除判定〕=[2D6+〔器用基準値〕]
- 鍵のかかった扉を開ける、罠を解除するといった際に行う判定です。
- 〔変装判定〕=[2D6+〔器用基準値〕]
- 人を騙す、なりすますといった際に行う判定です。
- 〔登攀判定〕=[2D6+〔筋力基準値〕]
- 壁や崖を登るといった際に行う判定です。
- 〔察知判定〕=[2D6+〔魔力基準値〕]
- 危険を察知する、隠れているものを見つけるといった際に行う判定です。
- 〔聞き耳判定〕=[2D6+〔魔力基準値〕]
- 遠くの音を聞く、話し声を聞き取るといった際に行う判定です。
- 〔見識判定〕=[2D6+〔魔力基準値〕]
- 人や物に対する情報をどれだけ持っているかといった際に行う判定です。
コラム:行為判定
- GM
- 帝国兵の目をかいくぐり、密かに村の外に出たアルタは、村を解放するために軍を率いてきたシアと運命の出会いを果たす。
- PL1/アルタ
- 同盟軍の人か!? 俺の村を助けてくれ!
- PL2/シア
- 帝国兵からあなたの村を解放しにきました。あとは私たちに任せてください、とアルタに告げます。
- PL1/アルタ
- 俺も一緒に戦う。剣の腕には自信があるんだ。
- PL2/シア
- アルタを品定めするように見て……ふむ、いいでしょう。ですが我々の指示に従ってもらいます、と言います。
- PL1/アルタ
- やった! 俺はアルタ。よろしくな! 握手を求めます。
- PL2/シア
- 私はシア。よろしくね。握手をして……アルタと軍に加えて村へ向かいます。
- GM
- 分かった。そうしたら、帝国兵に気付かれずに進軍できるかどうか、シアが代表者として〔行為判定〕をして。そうだなあ……この場合は〔器用〕かな。
- PL2/シア
- そうしたら、〔行為判定〕は、ええっと……サイコロを2個振って、その出目に〔器用基準値〕を足したら良いのね。
- GM
- そう。これを「2D6+〔器用基準値〕での行為判定」というよ。出目の合計値……〔達成値〕が〔目標値〕以上なら、判定は成功だ。じゃあ目標値は……10にしようか。
- PL2/シア
- (ダイスを転がして)達成値は……あ、9。
- PL1/アルタ
- あちゃあ……出目が悪かったね。
- GM
- 惜しい! では、ぶつかり合う鎧の音を帝国兵に気取られてしまう。「同盟軍か!?」
- PL1/アルタ
- 見つかっちまった!
- PL2/シア
- 戦闘は避けられなさそうね。皆、行きましょう!
戦闘ルール
シナリオ中でも重要なルールである戦闘ルールについて説明します。戦闘は〔ターン〕と呼ばれる時間区切りによって進行していきます。ターン開始時、キャラクターは原則として全員〔未行動状態〕です。全てのキャラクターが〔行動済〕になったら、ターンが終了し、次のターンに移行します。それを繰り返し、敵対するキャラクターがいなくなるか、GMが宣言することで戦闘が終了します。
ターンの流れ
1ターンは以下のように進行します。
①ターン開始
②セットアッププロセス
③イニシアチブプロセス
④メインプロセス
⑤イニシアチブプロセス
⑥クリンナッププロセス
⑦ターン終了
ターン開始後、セットアッププロセスでキャラクターの登場と配置を確認します。キャラクターの登場と配置は、1ターン目以降は省略されます。続くイニシアチブプロセスでキャラクターの〔行動値〕を比べあい、行動値の高い順に行動順番が決まります。
行動値 = 〔敏捷基準値〕
行動値が同値である場合は、味方キャラクターが優先されます。味方同士で行動値が同値である場合は、話し合って決めてください。
行動値の高いキャラクター順にメインプロセスを行い、その後再びイニシアチブプロセスに移ります。メインプロセスとイニシアチブプロセスを繰り返し、全てのキャラクターが行動済であることを確認できたら、クリンナッププロセスに移行します。クリンナッププロセスが終了すると、次のターンに移ります。
- セットアッププロセス
- セットアッププロセスは、ターン中の行動を準備するプロセスです。「タイミング:セットアッププロセス」の術技やアイテムが使えます。セットアッププロセス内の行動順は、行動値の高い順になります。行動値が同値である場合の処理は上記を参考にしてください。
- イニシアチブプロセス
- イニシアチブプロセスは次に行動するキャラクターを決めるプロセスです。未行動のキャラクターのうち、行動値が最も高いキャラクターが次のメインプロセスを行います。「タイミング:イニシアチブプロセス」の術技やアイテムが使えます。
この時、行動済のキャラクターがいなくなったら、クリンナッププロセスに移ってください。
- メインプロセス
- メインプロセスではメインアクションとサブアクションを、順序問わず1回ずつ行うことができます。メインアクションを行うか、メインプロセスを破棄することで行動済になります。メインアクションとサブアクションでできることは以下の通りです。
- サブアクション
- 主に判定のいらない行動を行えます。
・隣合うエリアへの通常移動
・アイテムの受け渡し/回収
・武器の持ち替え
・騎乗/騎乗の解除
・同乗
・「タイミング:サブアクション」の術技もしくはアイテムの使用
- メインアクション
- 主に判定の必要な行動を行えます。
・離れたエリアへの全力移動
・敵対するキャラクターが存在するエリアからの脱出
・武器を使った攻撃
・アイテムの交換
・「タイミング:メインアクション」の術技もしくはアイテムの使用
・エンゲージへの突入
・エンゲージからの離脱
この時、行動済のキャラクターがいなくなったら、クリンナッププロセスに移ってください。
- 待機
- メインプロセスの順番が戻ってきたとき、待機を宣言することで行動を延期することができます。待機を宣言したキャラクターは、最後に行動します。待機のキャラクターが複数いる場合は、行動値の高い順から行動します。
- クリンナッププロセス
- ターンの最後の処理を行うプロセスです。主にバフ/デバフの継続を確認します。その他、クリンナッププロセスで処理すると指定されたデータを処理します。
「タイミング:クリンナッププロセス」の術技やアイテムも使用可能です。この時、行動順は行動値が高い順になります。
クリンナッププロセスが終了すると、次のターンに移行します。GMが戦闘終了を宣言することで、戦闘は終了します。
エンゲージの形成
戦闘が開始すると、その場に〔エンゲージ〕が形成されます。エンゲージはキャラクターが戦う場であり、1エンゲージ約20mです。

エンゲージは〔味方後方エリア〕、〔至近エリア〕、〔敵後方エリア〕に分かれています。至近エリアはエンゲージの中央直径3mを指します。それ以外のエリアは相対的に遠距離エリアと定義されます。
セットアッププロセスで、キャラクターをエンゲージ内のどこに配置するかを話し合ってください。エンゲージの外に配置することも可能ですが、戦闘に参加するためにはメインアクションを使用して〔突入〕しなくてはなりません。
至近エリアでは、「射程:0」の武器もしくは術技を使用可能です。隣り合うエリアへ影響を及ぼすには「射程:1」の武器もしくは術技が必要です。味方後方エリアから敵後方エリアへ影響を及ぼすには、「射程:2」の武器もしくは術技が必要です。
また、敵対するキャラクターがいるエリアからの脱出には、メインアクションで全力移動を行う必要があります。
攻撃ルール
敵対するキャラクターに攻撃する際は、対決判定を行います。
①攻撃の宣言
②攻撃対象の決定
③対決判定
④ダメージの算出
⑤ダメージの適用
- ①攻撃の宣言
- キャラクターはメインアクションで攻撃することを宣言します。攻撃は「装備している武器」もしくは「習得している術技」のどちらかで行います。
- ②攻撃対象の決定
- 攻撃の方法を宣言したら、次に対象を決定し、宣言します。
- ③対決判定
- 対決判定を行います。能動側(攻撃側)は[2D6+〔器用基準値〕]で〔命中判定〕を行います。受動側(回避側)は[2D6+〔敏捷基準値〕]で〔回避判定〕を行います。達成値を比べあい、能動側の達成値が受動側の達成値を上回れば攻撃は命中します。
回避判定は行動済のキャラクターでも行うことができ、回避判定を行なったことで行動済にはなりません。
- ④ダメージの算出
- 攻撃が成功した場合、ダメージの算出に移ります。装備している武器で攻撃する場合、攻撃力は[2D6+〔筋力〕+武器の追加ダメージ]になります。ふたつの武器の追加ダメージを合計するには、《シュナイデン》を使用する必要があります。
術技で攻撃する場合は、術技の詳細説明に書かれている内容に従ってください。なお、命中判定でクリティカルした場合、ダメージに+5のボーナスを得られます。
- ⑤ダメージの適用
- 最終的な与ダメージが決定したら、受動側はその攻撃力から自分の〔守備〕とその他の補正値を引いた値を〔HPダメージ〕として適用します。
HPが0以下になった瞬間、そのキャラクターは〔気絶〕し、一切の行動を行えなくなります。詳しくは、コンディションルールを参照してください。
コラム:はじめての戦闘1〜攻撃をかわす
- GM
- 帝国兵との戦闘に突入するよ。敵は巡回の兵士一人だ。至近エリアにいる。
- PL1/アルタ
- 俺の武器の射程は0だから、至近エリアだな。
- PL2/シア
- 私もアルタを守らないとだから、至近エリアに配置するわ。
- GM
- 分かった。じゃあまずは、セットアッププロセスから。行動順は、帝国兵、アルタ、シアだね。帝国兵はセットアッププロセスで使う術技を持っていないから、何もなし。
- PL1/アルタ
- 俺は《ホークアイ》を使う。神経を研ぎ澄ませて……このターン中、攻撃が当たりやすくなる!
- PL2/シア
- 私は特に行動はしないわ。
- GM
- うん。つぎは、イニシアチブプロセス。未行動のキャラクターの行動値を比べあって、誰が先に動くかを決めるよ。最初は帝国兵が行動する。アルタを対象に、《バッシュ》を使うよ。命中は……10。
- PL1/アルタ
- 〔回避判定〕をして、達成値が10以上なら回避成功だな。まかせろ! ……9。嘘だろ!?
- PL2/シア
- 9の呪いかしら……アルタに《ガーディアン》! 手出しはさせません!
- GM
- では、帝国兵の攻撃からアルタをかばったシアは……16のダメージ。
- PL2/シア
- 《ファランクス》でダメージを半減させて、8。さらにそこから、《バッシュ》で半減された〔守備〕を引いて、6点を〔HPダメージ〕として適用するわ。
- GM
- さすがだね。
- PL2/シア
- でも、これで私の行動は終わりね。
術技・アイテムルール
ルールと術技、アイテムの効果が矛盾する時は、術技、アイテムの効果が優先して適用されます。術技とアイテムの効果が矛盾した場合は、どちらか有利な効果を選択することができます。GMは効果の適用の結果が不自然だと思った場合、その結果を棄却しても構いません。
術技・アイテムの使い方
①使用の宣言
②対象の確認と宣言
③使用タイミングの確認
④消費SPもしくはコストの確認と適用
⑤判定、または宣言
※同じタイミングで使用できる術技、アイテムはひとつまで。
⑥効果の適用
- 同じタイミングの術技の使用
- ひとりのキャラクターが、同じタイミングの術技をふたつ以上同時には使用できません。
- 効果の重複
- 同じ対象に同じ術技、アイテム名の効果は累積しません。重複した場合、より効果の高い方を選択しても構いません。ただし、ダイスなどで効果量を決定する場合は、ダイスを振る前にどちらの効果を受けるか選択してください。
- 複数のキャラクターを対象にとり、かつ対決判定を行う場合
- 複数のキャラクターが術技、アイテムの効果の対象となり、それが対決判定を行う場合、効果は一度だけ算出し、個別に対決したのち一律に適用します。
- 同じタイミングで術技・アイテムが使用された場合
- 同じタイミングで術技、アイテムが使用された場合、使用者の行動値順に処理します。
その他、GMが判断して処理を行ってください。
特効
アイテムの中には、特定の条件下で与えるダメージが上昇するものがあります。この効果を〔特効〕といい、〔○○特効〕のように記載されます。
- 〔飛行特効〕
- 〔飛行状態〕の相手に対する与ダメージに+3。
- 〔騎馬特効〕
- 〔騎乗状態〕の相手に対する与ダメージに+3。
コラム:はじめての戦闘2〜攻撃をあてる
- PL1/アルタ
- 俺に任せろ! 《ホークアイ》の効果で、攻撃が当たりやすくなってる。
- PL2/シア
- 頑張って!
- PL1/アルタ
- 《バッシュ》で帝国兵を攻撃するぞ。命中は、14! ……クリティカル!
- GM
- 6が二つ出たから、クリティカルだね。達成値に+5の補正がつくよ。最終的な達成値は19。帝国兵はアルタの攻撃を避けられない。
- PL1/アルタ
- いくぞ、ダメージロール! クリティカルしたから、ダメージに+5のおまけつきだ。くらえ……ダメージは18!
- GM
- うっ。守備が半減されて……でもまだ倒れていないね。
- PL2/シア
- 私はさっき《ガーディアン》をしたから、行動済になっているわ。
このあと、2ターン目の帝国兵の攻撃を避けたアルタが手痛い一撃を帝国兵に浴びせ、戦闘は終了する。アルタとシアが息をついたもつかの間、騒ぎを聞きつけてやってきた帝国兵の本隊とぶつかることになったのだった……。
- GM
- さあ、今度は帝国兵3人が相手だ。
- PL1/アルタ
- うっ、数が多い……でも負けてられない!
- GM
- その意気だ。さあ、戦闘開始だよ!
帝国兵3人を相手に、大立ち回りを演じるアルタとシア。しかしついに相対する帝国兵が残り一人となったところで、SPも尽き、HPも限界となっていた……。
コンディションルール
キャラクターは〔コンディション〕というステータスを持っています。これは、キャラクターが今どんな状態でいるかを示すものです。
- 正常
- コンディションの初期値です。
- 気絶状態
- HPが0以下になった瞬間、キャラクターは〔気絶状態〕になります。この間、一切の行動を行うことができません。気絶状態のまま戦闘が終了するかシナリオ中で6時間が経つと、〔死亡判定〕を行います。死亡判定は、[現在のHPの絶対値]を目標値に、[2D6+〔体力基準値〕]で判定を行います。死亡判定に成功するとそのキャラクターのHPは「1」になります。失敗すると、そのキャラクターは死亡し、二度と帰ってきません。
- 無防備状態
- 眠っている、両手両足を縛られている等々の、「抵抗ができない状態」を示します。無防備状態ではいかなる能動的・受動的な行動も行えず(攻撃も回避もできません)、〔守備〕は0として扱います。
デバフとバフ
デバフとバフには〔深度〕があり、累積します。
デバフ
- 〔火傷状態〕/〔火傷〕
- 自身のメインプロセス終了直後に[深度]ダメージ。術技もしくはアイテムで解除可能です。
- 〔凍傷状態〕/〔凍傷〕
- 自身のメインプロセス終了直後に[深度]ダメージ。術技もしくはアイテムで解除可能です。
- 〔裂傷状態〕/〔裂傷〕
- 自身のメインプロセス終了直後に[深度]ダメージ。術技もしくはアイテムで解除可能です。
- 〔重圧状態〕/〔重圧〕
- 〔敏捷〕が半減し、回避判定に-2のペナルティ。術技もしくはアイテムで解除可能です。
- 〔麻痺状態〕/〔麻痺〕
- 行動不能、回避不可能。術技もしくはアイテム、またはクリンナッププロセスで解除可能です。
- 〔盲目状態〕/〔盲目〕
- 命中判定、回避判定に-2のペナルティ。術技もしくはアイテムで解除可能です。
バフ
- 〔高揚状態〕/〔高揚〕
- 攻撃力に+[深度]します。
- 〔鎮痛状態〕/〔鎮痛〕
- 〔火傷〕、〔凍傷〕、〔裂傷〕のダメージを[深度]軽減します。
- 騎乗状態
- キャラクターが乗り物に乗っている状態を示します。乗騎のアイテムを所持した上で、サブアクションで騎乗します。騎乗状態の解除にはサブアクションが必要です。GMは場合に応じて、キャラクターがシーン登場時から騎乗状態であることを認めても構いません。
- 同乗状態
- キャラクターが、上記の騎乗状態のキャラクターに相乗りしている状態です。同乗状態になるには、
①騎乗状態のキャラクターと同一エリアにいる。
②騎乗する乗騎の同乗人数に余裕がある。
以上を満たした上で、サブアクションで同乗してください。
同乗状態となったキャラクターは通常移動、全力移動ができない代わりに、騎乗状態のキャラクターが移動すると一緒に移動します。
同乗状態を解除するにはサブアクションを使用してください。
- 飛行状態
- キャラクターが空を飛んでいる状態です。飛行状態になるには、飛行可能な乗騎を所持している必要があります。飛行状態のキャラクターは、離れたエリアへ通常移動で移動することが可能です。飛行状態でどれくらいの高さにいるのかはプレイヤーと相談し、GMが判断してください。飛行状態のキャラクターを攻撃するには、「射程:1」以上の武器または術技が必要です。
アルタレイジルール
「大切な人を救いたい」「仲間を守りたい」「絶望的な状況を覆すだけの力が欲しい」——キャラクターがそんな強い想いを抱いた時、神々、あるいは星がその声に応えます。しかし心してください。強大な力を得るには供物が必要です。これを、アルタレイジと言います。
キャラクターが何か強い想いを抱いた時、PLはその旨を申告し、GMが内容を判断してください。GMの許可が下りた場合、キャラクターはボーナスダイスをみっつ得ることができます。ボーナスダイスは判定やダメージロールなど、あらゆるダイスロールに用いることができますが、ボーナスダイスを得た直後に使わなければいけません。アルタレイジは、1セッション中、1キャラクターに2回まで、1シーンに1回まで使うことができます。
ボーナスダイスを得た後、ダイスロールの前に、プレイヤーは代償表(下記参照)を振ります。代償表の結果はアルタレイジを行ったキャラクターに適用されます。
代償表(D66)
出目 | 代償 |
1 - 1〜3 | 過去の記憶の一部を失います。どの程度の規模かは、PLが選択してください。ただし、セッションの進行に差し障りがない範囲を推奨します。 |
1 - 4〜6 | 1日の間、〔HP〕が回復しなくなります。この効果は〔デバフ〕として処理されず、術技やアイテムで回復できません。 |
2 - 1〜3 | 大切なもの(宝物など)をひとつ失います。 |
2 - 4〜6 | 1日の間、〔SP〕が回復しなくなります。この効果は〔デバフ〕として処理されず、術技やアイテムで回復できません。 |
3 - 1〜3 | 誰かに対して抱いている感情のひとつを失います。 |
3 - 4〜6 | 即座に〔HP〕を[2D6]点失います。この効果でHPは0以下にはなりません。 |
4 - 1〜3 | セッションが終わるまで、〔守備〕に-2の下方修正を受けます。 |
4 - 4〜6 | セッションが終わるまで、〔体力〕に-2の下方修正を受けます。〔最大HP〕を再計算してください。 |
5 - 1〜3 | セッションが終わるまで、〔回避判定〕に-2の下方修正を受けます。 |
5 - 4〜6 | セッションが終わるまで、〔命中判定〕に-2の下方修正を受けます。 |
6 - 1〜3 | セッションが終わるまで、全ての術技の〔SP〕消費に+1点されます。 |
6 - 4〜6 | 1日の間、あなたは自分が何者であるかわからなくなります。ですが、強く抱いていた目的や希望は覚えています。 |
コラム:はじめての戦闘3〜強き想いを胸に
- PL1/アルタ
- シアもぼろぼろだ……。ここで決めなくちゃ、やばい!
- GM
- ではアルタくんに、ここぞという時に使う「アルタレイジ」を教えよう。これは、キャラクターが強い思いを抱いた時、神やそれに準ずるものに祈りを捧げて追加ダイスを3つ得ることができるルールだ。代償を支払わないといけないけどね。
- PL2/シア
- 悪魔の囁きだわ……。
- GM
- これがこのゲームの肝でもあるからね。大きな力には代償がつきものなのさ。
- PL1/アルタ
- 強い願い……この村を、俺が、俺たちが帝国の支配から解放するんだ!
- GM
- いいだろう、アルタレイジを認めるよ。アルタは自らが信仰する神、ユークレクスに祈りを捧げた。ユークレクスはアルタの願いに応え、力を貸してくれる……代償付きでね。
- PL1/アルタ
- 代償は……うわ、「大切なものを失う」だ。不吉だな……じゃあ、そうだな、昔死に別れた妹からもらったペンダントが砕け散る。
- GM
- 結構悲しい設定を持っていた。ではその瞬間、アルタの体に力がみなぎる!
- PL1/アルタ
- うおおおお! これで終わりだ! うっ、1ゾロ!?
- GM
- ダイスが増えた分、確かに1ゾロの確率もあがるね……でも君にはユークレクスの加護がある。
- PL1/アルタ
- ユークレクス様、俺に力を! 1ゾロを6ゾロに変更する。
- PL2/シア
- すごい……! これなら!
- PL1/アルタ
- ダメージに+5して……最終ダメージは24だ!
- GM
- ぐっ……最後の帝国兵も倒れる。残党は君の力を見て、戦況が不利と見るや否や、撤退していくよ。
- PL2/シア
- やった! アルタに駆け寄って、その体を助け起こします。
- PL1/アルタ
- へへ……ありがとう、シア。君のおかげだ。
- PL2/シア
- あなたが頑張ったからです。見事でした。
- GM
- 村は皆の活躍で帝国の支配から解放された。君たちは英雄と謳われ、その晩は勝利の宴が開かれるだろう。一時の平和を得たにすぎないとしても、今日ばかりは無礼講だ。これで、今回のお話はおしまい。
- PL1
- お疲れ様。また遊びたいな!
- PL2
- このお話の続きも遊んでみたいわ。
- GM
- じゃあ、いつか話を作ろう。君たちの物語を……。
料理ルール
〔レシピ〕を習得しており、〔食材〕が揃っている場合、〔料理判定〕に挑戦することができます。〔料理〕は戦闘中は行えませんが、バフや回復などさまざまな効果を得られます。レシピはキャラクターレベルが上がると自動的に習得します。
〔料理判定〕に挑戦するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- レシピを習得している
- レシピに対応した食材を所持している
- 調理道具と食器を所持している
- 戦闘中でない、安全な環境である
〔料理判定〕は、〔器用基準値〕を用いて判定します。目標値はレシピに記載してあります。
〔料理判定〕=[2D6+〔器用基準値〕]
料理によって得られる効果の持続時間は1日です。